サックスは誰が、なぜ作ったのか
サックスを作ったアドルフ・サックスの話。1846年の特許、ベルリオーズの称賛、パリ音楽院の授業、セルマーが工房を受け継ぐまでを出典つきでまとめました。
サクソフォン(saxophone)という名前には、作った人の名前が入っています。ベルギー出身の楽器製作者、アドルフ・サックス(Adolphe Sax)です。
1814年、ベルギーのディナン
アドルフ・サックスは1814年11月6日、ベルギーの小さな町ディナンで生まれました。
1842年、パリへ
1842年の秋、サックスはフランスのパリに拠点を構えました。同じ年の6月12日には、作曲家エクトル・ベルリオーズが新聞(Journal des débats)にサックスを称える長い記事を書いています。
1846年、サクソフォンの特許
サックスは1846年3月21日にサクソフォンの特許(第3226号)を取りました。この特許には大きさの違う8種類のサクソフォンが含まれていました。セルマーの記事は、彼の目標を「できるだけ多くの音域をカバーすること」と説明しています。小さい楽器が高い音を、大きい楽器が低い音を受け持つ、ひとつの家族を作ったのです。
いまよく使われるソプラノ・アルト・テナー・バリトンもこの家族です。大きさは違ってもキーの配置はほぼ同じなので、ひとつを覚えればほかも吹けます。
先生になったサックス
1857年、パリ音楽院にサクソフォンのクラスができ、サックスが担当しました。セルマーの記事によると、彼は約130人の奏者を育て、クラスは1870年の戦争のあと中断されました。
サックスは1894年2月7日にパリで亡くなりました。セルマーの記事は、そのあとしばらくサクソフォンは主に軍楽隊で使われていたとしています。
その後
フランスの楽器メーカー、セルマー(Selmer Paris)は1921年にサクソフォンの製造を始め、1929年にサックスの工房を買い取りました。
ひとことでまとめると
- 1814年にベルギーのディナンで生まれたアドルフ・サックスが作りました。
- 1846年に特許を取り、大きさの違うサクソフォンをひとつの家族にしました。
- だからアルトで覚えた運指は、テナー・ソプラノ・バリトンでもほぼそのまま使えます。
参考資料
- Britannica, "Adolphe Sax"
- Selmer Paris, "The invention of the saxophone by the great Adolphe Sax"
- Yamaha Music Blog, Jake Uitti, "What's the Difference Between Soprano, Alto, Tenor and Baritone Saxophones?" (2022-01-03)
最終確認 2026-10-21